

交流分析(Transactional Analysis = TA)は、1950年代半ばにアメリカの精神科医であったエリック・バーン博士によって、S.フロイトの精神分析を土台として開発された 「人の心と行動を分析する新しい心理学」( = 学問理論) であると同時に、個人が自らの「気づき」を通して行動変容を果たすための体系的な心理療法 ( = 心理治療技法) でもあります。 心を開き、他者を受け容れる成長過程を通じて、交流分析は「自分が楽になる心理学」です。
交流分析理論は、主に医療領域では心療内科での治療に用いられ、 また、非医療分野では広く個人や組織での教育研修やカウンセリングなどに普及・活用されています (日本交流分析協会は、非医療分野における交流分析の教育・普及・実践を推進しています)。

多くの人は、対人関係に問題が生じると、ひたすら相手を変えようとしたり、関係修復に努めます。 しかしこの努力は多くの場合失敗に終わり、さらに問題が深刻になったりします。交流分析は、こう考えます。
『過去と他人は変えられない。変えることができるのは、今、ここの自分である』

まず、自分の「仮面」を捨て去り、心を開いていくことによって、愛情と信頼にもとづく真実のふれあいを実現することができます。 交流分析を学び、実践することの最終目標は「自己理解と気づき」、「自発性」、「親密さ」、を通して『自律性』を身につけることです。

人には三つの心 (自我) があります。社会のルールを守ろうとしたり、相手を褒めたり労ったりする親の心や、状況判断をする成人の心、天真爛漫に振る舞ったり、 頼ったりする子供の心などです。この三つの心を、グラフ (エコグラム) をもちいて自分の特性と改善の方法を知ることができます。
自分に三つの心があると同じように、相手にも三つの心があります。私たちは、この三つの心を使って情報を伝えたり、相手を理解したりします。 対話分析を理解することにより、その場に相応しい対話ができるばかりでなく、相手の気持ちに沿った対応ができます。
ストロークは、なでる、さするなどの意味がありますが、TAでは相手の存在を認める言動の全てをストロークと呼んでいます。 「おはようございます」「こんにちは」という挨拶や、優しく微笑みかける肯定的なストロークもあれば、叱る、怒るなどの否定的なストロークもあります。 人が幸せを感じるのも、不幸せになるのも原点はストロークの出し方、受け取り方によります。
「自分」および「他人」に対しての基本的な見方を人生態度といいます。TA ではこの基本的な見方が「幼児期における主に養育者とのふれあいの過程で形成される」と考え、 自分自身を振り返り、「自分も相手もOK」という相互理解の関係を目指す機会とします。
あなたは「前にも同じような、こじれた不快な対話をした覚えがある」と思ったことはありませんか。もしあれば心理的なゲームをやったことになります。 人はストローク飢餓になると、否定的なストロークによる心理的ゲームで飢餓を癒そうとします。
TAでは、「その人がストロークを求めるために、どのような時間の使い方をしているか」で、 その人の生き方のパターン分析ができると考え、生き甲斐のある自分の時間の使い方を分析します。
人生脚本とは、人それぞれ、あたかも、脚本が用意されているかのような人生を歩むことから名づけられました。 子供は養育者とのふれあいや、環境によってよい脚本を得るばかりではなく、悪い脚本も大なり小なり受け取っています。 そしてこの脚本が大人になった今、あらゆる行動に大きな影響を与えています。